お気楽な主婦として北米生活に突入した当初、家事作業中に空気のように存在させていたTVから流れてきたオープニングのクールさに、内容も解らぬままに衝撃を受けたのが、この『SIX FEET UNDER』の映像・音楽でした。
映画 『アメリカン・ビューティー』(1999)の鬼才アラン・ボールよる企画・製作総指揮・脚本・監督と、まさに全てを渾入して製作されたこの 『SIX FEET UNDER』 は、その斬新さ -- プロット/ビジュアル/コンセプト/起用俳優群個性・・・などなど -- から、「TVドラマ」というカテゴリーに一括ってしまうのさえ躊躇されそうな、巷のそれらとは確実に一線を画すオリジナリティーを持ったドラマであるかと思います。
HBO制作のドキュメンタリーやドラマたちに興味を持ち貪り鑑賞するきっかけになった、そして同局TVドラマ・シリーズの中で私が一番好きなドラマと言ってしえるくらいツボにハマった大好きな作品です。
社会経験もないままに35年を連れ添ったある日、突然夫に旅立たれ呆然とする妻Ruth(ルース)、若くして家を飛び出し自由奔放に生きる長男のNate(ネイト)、ネイトとは対照的な性格を持ち゛良い息子゛であることを選び葬儀社の家業を継ぐ次男のDavid(デイヴィッド)、シニカルでアウトロー、ティーンネイジャー特有の不安定さを日々葛藤する高校3年生の長女Claire(クレア) ––
フィッシャー家の家族メンバーそれぞれの心の深い部分に強くその存在を落とす父、Nathaniel Fisher(ナザニエル・フィッシャー)の交通事故死からスタートするこの『SIX FEET UNDER』には、アメリカの一般中流家庭が抱えるドライで病んだ現代の家族関係を象徴するような絵図があります。
葬儀屋であるこのフィッシャー家に送られる、この世を旅立った人々の死に様がオープニングに毎回描かれるのが特徴の一つであるこのドラマですが、タブー視されがちな「死」を身近に突きつけられることではじめて「生」とは、と考え意識できるようになるのかも知れません。
フィッシャー家の各々と彼らを取り巻く人々だけでなく、現代を生きる全ての人が抱えるそれぞれの苦悩と葛藤が大変よく描かれており、笑い、悲しみ、切なさ、痛み・・・ -- 色んなものがぎっしりと詰まったドラマです。
2年前に観たシーズンのフィナーレを飾る第63話目は、今でも心に強く残るエピソードの一つです。
◇◇ データ ◇◇
◇オンエア:
2001年~2005年 全5シーズン63エピソード
◇製作総指揮:
アラン・ボール
◇脚本:
アラン・ボール ほか
◇監督:
アラン・ボール、ロドリゴ・ガルシア
◇キャスト
ピーター・クラウス(ネイト・フィッシャー)
マイケル C.・ホール(デイヴィッド・フィッシャー)
フランセス・コンロイ(ルース・フィッシャー)
ローレン・アンブローズ(クレア・フィッシャー)
レイチェル・グリフィス(ブレンダ・チノワック)
フレディ・ロドリゲス(フェデリコ・ディアス)
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目先の夢:
大トロなんて大それません…。
イカ刺やアジ叩きなどの鮮魚を貪れたらこの上なく幸せ。
HBOドラマに狂うカウチな日常ではありますが、裏山でワイルド・マッシュルームを狩ったりバード・ウォッチングや山歩きなどしたりして、この若さ(?)ですでに隠居生活に片足突っ込んでます。
将来の夢:
新鮮な食物に囲まれた裏庭をワーク・スペースとして自給自足。
グレート・デンを3頭ほど家族に迎えたい。